古本の汚れを取る

家においてある本は古い本ですが、古本ではないです。古本は、誰かが所有した後に古本屋に売られて一旦、古本屋に並び再度、商品になったものが古本です。もとの所有者から買われて次の所有者の手に渡るまでが、「古本」というものなのです。つまり、 本が古本になり、また売られる本へとなったものが古本です。その手渡しでビジネスをするのが古本屋の仕事です。 もとの所有者から買い取って、次の所有者に商品として見てもらえるようにいろいろと本を店頭に並べます。古書店 では「本を整理する」といいます。具体的には、本についている汚れを落としてきれいにしたり、 揃い物を順に並べたり、透明カバーをかけたりして売れるようにあの手この手で工夫をします。 もとの所有者から買ってきた本は、そのままでは商品になりません。まず、汚れがついていれば、 それを落とさなければなりません。古本屋に来る本はほとんど汚れがない本もありますが、それでも「汚れていない」と いうことを確認しなければなりません。 ビニールコートされた本のカバーについている汚れはまずは固く絞った雑巾で強く拭きます。簡単な壊などであれば、水だけできれいになります。 台所などに置かれていた本は油脂が付着している場合がありますが、これも洗剤を 含ませた雑巾で落とせます。油性マジックやボールペンのインクは消しゴムで落とせます。 値札などのシールが貼ってある場合は、ベンジンをつけるとはがれます。ベンジンが安価で最も有効ですが、蒸発しやすいので、 素早く作業する必要があります。

また、目立った汚れがない本でも、書棚に立てておいた本のには挨がたまっているものです。 本は、靴みがきの仕上げ用か、洋服用などの動物の毛を使った軟らかいブラシで丁寧に払うよ うにします。 ハードカバーの本は、中身よりも表紙のほうが少しサイズが大きくなっているので、表 紙の内側に縁取りしたように汚れが付着している場合があります。雑巾 でぬぐいましょう。
手垢などは、紙の繊維に染み込んでいるので落とすことはできません。紙の裁断面は表面より繊維が露出しているので、汚れが入り込みやすいのです。本の天地・小口などは、中身の紙が露出しています。戦後の本は酸性紙を使っているので、時がたつと空気中の水分と反応して劣化します。とくに天は壌がたまりやすいので、水分を含んでより早く劣化し始めます。最初は斑点のようなものができ、次第に天全体が変色して、紙の 内側に向かって進んでいきます。 温度や湿度の変化が少ないところに置いておけば、本の劣化はある程度遅らせることができます。ただ、酸性紙を使用している以上、劣化を完全に防ぐことは まず不可能です。鉛筆の書き込みを消す際には、消しゴムを内側から外側に向かって動かします。往復させると、 紙にシワが寄ってしまうことがあるからです。細かく消せる電動消しゴムもありますが、油断すると紙を削ってしまいます。 このように古本を売るには、本をきれいにして店頭に並べる努力が必要です。